なんだか色々あった1ヶ月。
この記事を書こうとした矢先に、ゴダールが自らの意思で旅立ってしまい、あまりにもショックで手術の記憶が飛んでしまいかけました。。
もうフランスとも関係ないしこのまま書かなくていいかとも思ったけど、手術なんて一生に一度あるかないかのこと(であって欲しい)だし、自分の記録として残しておこうと思います。
後編もお付き合いください。
手術当日の朝。
手術は午後から。
食事は摂ることができないんですが、朝8時までは飲み物は(アルコール以外)何を飲んでもいいということ。
ゆるいな。普通の健康診断のほうが飲食制限厳しいのね。
かわいい顔してバイオレンスなカロリー、チチヤスのミルクコーヒーを2本飲んで血糖値上げまくっていきます。
休憩室で空を見上げながらぼーっとしてると、麻酔科の先生が来られて、その場でいろいろ診断。
ベッドに戻ってフランス語勉強本開いても、なんだかそわそわ落ち着かない。
勉強に身が入らないから、フランス映画でも観ることにした。
ロメールの『緑の光線』『木と市長と文化会館』を観終えたところで、看護師さん登場。
「しばらく水分補給できなくなるので、点滴しますねー」
ええええー。点滴針を体に差すくらいなら普通に口からお水飲みたいんですけどー。
ここから長い長い点滴生活の始まり。手術のときの麻酔も、この点滴針から入れるという。ああ考えただけで震える。
13時。手術開始予定時刻になってもなかなか呼ばれない。
家族や友人とLINEしたりしてドキドキを紛らわすけど、もうどうにも止まらないこの胸の高鳴り。
「すみませーん、前の方がちょっと延びてて。もうちょっと待っててくださいねー」
おおぅ。会社の会議室のノリではないか。
たぶん私が緊張しないように気を使ってくれているんだろうけど、もうドキドキはMAXをはるかに振り切ってるので、どんなノリで来ようがブルブルに震えているんですけどね。
14時。
「お待たせしましたー!14時20分になったら一緒に手術室まで向かいましょうねー♪」
かわいい。けどやっぱり軽い。
14:20。
家族にLINEして、手術室へ向かう。
想像していた「手術室へ運ばれる」シーンはなく、自分の娘(いないけど)くらいの年頃の看護師さんに「ドキドキが長引いてごめんなさいね♪」なんて慰められながら、自分で点滴のコロコロ(?)引きずりながら歩いて手術室まで移動。
手術室に入ると、10人くらいの人がバタバタと動き回っていた。
ここで主治医の先生と、入院後初対面。
「朝お話しした麻酔科の●●でーす!遅くなってごめんねー!」
ああ、そうか、この方々にとってみたら、私は「多数の中の1人」でしかないんだもんな。
私にとっては人生の中の超巨大スペクタクルな一大イベントなのに。
そう思ったらフッと力が抜けた。
手術台に横になり、マスクの上から酸素マスクを被せられた。
「はい、麻酔入れていきますよー」
天井の照明を見ながら、ぼーっとしてきた。
「終わってますよー。」
気づいたら病室のベッドに戻っていた。
タイムワープしたかのように、一瞬で終わっていたけど、体じゅう管が通っているし、起き上がることができない。
「無事に終わりました。よく頑張りましたね。ご家族の方には、先ほどお電話もしました。」
主治医の先生には、手術の結果がどうあれ、終わったら家族に電話するようにお願いしていた。
ぼーっとしながらも、まずはおかんにLINEした。
あれ?
3時間で終わるって言ってたのに、LINEできたの20:45。
「連絡遅くて心配した!」
そりゃそうだよね、え、ほんとに無事に終わったのか不安になるわ、、、
22時頃、ようやく麻酔が切れて意識が戻ってきました。
この朦朧とした状態でロメールみたらあかんな、と思ったのでなぜか「池袋ウエストゲートパーク」を見まくりました。
気がついたら寝ていて、朝日で目覚めました。自分の力で起き上がることができないのつらい。。
朝一で血圧測定。
血圧が140くらいあってびっくり。
「昨日の手術中は180くらいまであがったので、だいぶ下がりましたね!」
と言われてさらにびっくり。ひえええ。
8時頃採血。おならが出なければ次のご飯が食べられないらしい。
お腹に管が通っているし、とにかく手術痕がズキズキとするのでお腹に力入れられない。。
放屁がしたいのに!
もうご飯のために嘘でもつこうかと思ったら、小さいのが出た。
昼頃に尿の管も取ってもらえて、1人で歩けるようになりました。
歩けるようになって、初めて買ったものは、エビアンでした。(やっぱりフランス的ななにかを求める)
おならも出たので、待ち焦がれていたご飯が食べられる!!42時間ぶり!?きゃああ!興奮する!!
あ。。
流動食って、流動食って、こんなのなんですか。。
その後、発熱や痛みはあるけど順調に回復していき、ご飯もこんな感じでどんどん固形物が増えてきました。
約1週間ぶりに外の空気が吸えた。太陽がまぶしかったー!!
無事に退院しました!娑婆の空気は美味しいな!
— のん Marianne Renoir (@nontage) August 23, 2022
今とにかくフランス語のレッスンを受けたい!
ちなみに、事前に限度額申請をしていたので、窓口でお支払いする金額が少額で済みました。
こういう制度とか、教えてもらわなきゃわからないなあ。。